「しあわせ」シンポジウム

2022年02月22日

先日、本学と、東広島市の生涯学習センターの共同企画で、「しあわせ」をテーマとしたシンポジウムが開催され、私も講演を行いました。このシンポジウムは、昨年8月に開催予定だったのですが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、延期していたものです。なんとか対面で開催したかったのですが、広島県がまん延防止等重点措置対象地域となっていることもあり、残念ながらオンラインでの開催としました。

<「しあわせ」について話す資格>

このシンポジウムでは、私の他に、本学健康科学部心理学科の教員3名が、それぞれの専門としあわせを関連づけて話をしました。私は、心臓の収縮や神経の信号伝達の際に発生する電気現象に関する研究をしてきましたので、研究者としては「しあわせ」は専門外です。ですが、私が学長に就任した際に、大学の将来像を「ともにしあわせになる学び舎」と定めて活動をしているので、この講演についての依頼があった際、資格はあるだろうと考えて、引き受けた次第です。

<しあわせが循環する社会を>

私を含め、当日の講演内容はしばらくの間YouTubeで配信されていますので内容についてはそちらをご覧ください。私は、本学の専門分野である「健康・医療・福祉」のそれぞれと「しあわせ」との関係、本学で「ともにしあわせになる学び舎」の将来像を策定した際に作った詩を基にして「しあわせ」について考えたこと、私が注目している「しあわせ」についての研究を紹介しました。その上で、「人は一人ではしあわせになれない。人の役に立つような行動として、周囲の人がしあわせになれば、それが自分に戻ってきて自分がしあわせになる。」というメッセージをお伝えしました。利他的行動の重要性は古くからことわざや宗教での教えとして伝えられてきたことですが、科学的に証明されつつあると認識しています。

<ちょっと失敗>

ところで、私の話は予定時間よりも5分以上早く終わってしまいました。前日に自宅でリハーサルをした時に予定時間よりも少し長くなったので、少し短めに話をしていたことと、パソコン画面の経過時間を見間違えたのが原因です。失敗でした。ですが、わたしのすぐ次の演者の先生があわてながらも対応してくださり、また、その後も先生方が調整されて、シンポジウム自体は予定通りの時間で終了することができました。感謝です。また、人が集中できる時間は15分間程度と言われますので、本来なら途中ですこしリラックスできる話をするべきだったのですが、それも省略した形となってしまい、その点も反省です。

<交流できなかったのが残念>

私に続く先生方の話は、甲田准教授が哲学的なことや人類の進化と関連づけてのしあわせについて、田中教授が東広島市民の方へのアンケート結果等も示しながら睡眠としあわせについて、久次客員教授が人とのコミュニケーションとしあわせについて、聴衆の方へ問いかけながらの講演でした。対面であれば、手を上げてもらったりして、聴衆の方の反応・状況を把握しながら話をしていき、講演者と聴衆の方とがもっと一体感を感じるような講演になったと思いますが、それができなかったのは残念です。オンラインでもICTを活用してアンケートをとりながら講演を進めるなど、聴衆の方に参加している実感を持って頂きつつ進行していくことも可能ではありますが、誰でも手軽にできるという状況ではありません。シンポジウムや講演会は、内容もですが、その場での交流も非常に重要な要素です。早く自由に対面で行事を行うことができるようにと願いつつ、コロナ後も続けられるであろうオンラインでの講演や行事でも参加者間での交流が気軽にできるようになればいいと改めて思いました。